時期 前期 中期 後期
3世紀後半~4世紀後半 4世紀末~5世紀後半 5世紀末~7世紀
分布 近畿中央部 近畿中央部から各地へ 全国に拡大
形態 近畿中央部に大規模な前方後円墳 前方後円墳(巨大化, 周囲に濠や陪塚) 近畿中央部は大規模な前方後円墳
墳丘の斜面に葺石 墳丘の斜面に葺石 墳丘の斜面に葺石
内部
構造
竪穴式石室・粘土槨・木棺・石棺 竪穴式石室・木棺・石棺 横穴式石室が全国に普及
副葬品 銅鏡・玉・碧玉腕飾り・鉄製武器・農工具など呪術的なもの 刀剣・甲冑など鉄製の武器・武具・馬具・冠・金銅製装身具など軍事的なもの 武具・馬具のほか飲食用の土器などに事情生活の用具が中心
被葬者 司祭者的性格 武人的性格
埴輪 円筒埴輪 形象埴輪 円筒埴輪・形象埴輪
実例 ホケノ山古墳(奈良県) 大仙陵古墳(大阪府) 石舞台古墳(奈良県)
箸墓古墳(奈良県) 誉田御廟山古墳(大阪府) 藤ノ木古墳(奈良県)
石塚山古墳(福岡県) 五色塚古墳(兵庫県) 新沢千塚古墳群(奈良県)
黒塚古墳(奈良県) 造山古墳(岡山県) 岩瀬千塚古墳群(和歌山県)
主な
出来事
ヤマト政権成立 5世紀の初めから約1世紀の間、倭の五王が中国の南朝に朝貢 527 磐井の乱
391 倭軍が百済・新羅を破る 592 推古天皇即位
古墳の時期区分年表

  

古墳のなかでも、最も大規模な古墳は、前期から中期、さらに後期にいたるまで一貫して近畿地方中央部の奈良盆地と大阪平野に営まれました。
前期で最大の規模をもつ古墳は、奈良県天理市の柳本古墳群中にみられる渋谷向山古墳(景行天皇陵、墳丘長310m)であり、中期で最大のものは大阪府堺市の百舌鳥古墳群中の大仙陵古墳(仁徳天皇陵、墳丘長486m)です。
こうした奈良盆地や大阪平野の巨大な古墳は、それぞれの時期ではほかの地域の古墳から隔絶した規模をもち、各地の首長たちの連合であるヤマト政権の盟主、すなわち大王の墓と考えられる。
ただ古墳時代の前期から中期にかけて、近畿中央部の奈良盆地や大阪平野以外の地域でも相当大規模な前方後円墳が造営されていたことも重要です。